LAUNCH Circular

Kvadrat は、革新的プロジェクト LAUNCH Circular プロジェクトのメンバーとして積極的に活動しています。 当初アメリカで始まった LAUNCH では、Nike 等の有名ブランドや NASA といった機関が、より持続可能な社会への移行を加速させるために自らの影響力や経験を活かして協力し合いました。 LAUNCH Circular はその名が示すとおり、LAUNCH の北欧版です。 Kvadrat の Anders Byriel CEO が LAUNCH Circular の目標について説明するとともに、その参加が Kvadrat の持続可能性の課題にどのような影響を与えたかを語ります。

LAUNCH Circular には Kvadrat、IKEA グループ、Novozymes、デンマーク外務省、 デンマーク環境保護庁、スコーネ県が参加しています。 参加する企業や団体の規模や影響力は、どれだけ重要ですか?

重要なのは規模よりも、これら企業が連携して取り組むことです。 このプロジェクトの意義と特殊性は、ある種のシステムイノベーションを生み出しているという点にあります。 個々の企業が業界の構造やパターンを変えるのは容易なことではありませんが、力を合わせることで革新をもたらすことが可能です。 私たちは連携を通じて、持続可能性に関する研究やリソースを活用しています。

参加企業の多様性は、何らかのプラスの効果を上げていますか?
それぞれのネットワークや分野を結集して全体的に取り組むことは、非常に大きなインパクトにつながります。

Kvadrat はどのように関わっていますか?
LAUNCH Circular に参加して 3 年目となる今年、Kvadrat は循環型経済に取り組んでいます。 年を経るごとに、この取り組みをより効果的かつ的確に達成できるようになってきています。 当初はやや抽象的だった内容が、今ではより具体的なものへと発展しています。 私たちは、Kvadrat として提携や投資を通じて、または顧客になることで、1、2 件の新しい持続可能性イノベーションの発掘に熱心に取り組んでいます。 二つ目の領域としては、持続可能性の課題にどう対処するかを学び、その知識を実践することです。

LAUNCH Circular  はどのようにして大きな変化を引き起こすことができますか? プロジェクトが掲げる主な目標は何ですか?
より持続可能な世界の実現に向けて企業が果たす役割は、非常に大きいと私たちは考えています。 多くの点で、政府より企業のほうがこの種の変化の機動力として優れていると言えるでしょう。 企業はより迅速で、豊かなリソースを持ち、グローバルです。このため、持続可能性に関する強力なアジェンダを推し進めることが可能です。 Kvadrat の顧客を例に挙げると、持続可能なソリューションの需要のほとんどは一流企業からのもので、これが私たちのさらなる探究や前進への原動力となっています。 一方で、病院や文化センター等の公共部門からは、持続可能性の需要はほとんどありません。 資本主義にはマイナス面もありますが、大企業が世界的に持続可能な発展を後押ししているのは明らかです。 LAUNCH Circular は新たな持続可能なイノベーションをサポートするという非常に明確な目標を掲げています。 未だ実現していない革新的なアイデアを持つパートナーを 1、2 社選び、リソースやサポートの提供を通じてこれらのビジネスの成長を手助けすることを目指しています。 最後に、学びがプロジェクト全体にとって重要な要素となっています。 参加する全ての企業はこのプロセスを通じて、重要な新技術や新戦略についてさまざまなことを学んでいます。

LAUNCH Circular  が新たに支援している企業やアイデアについて教えてください。
前回のサイクルから引き続きサポートしているプロジェクトのひとつに、POND という、 天然油を原料に作られた持続可能な糊があります。 現在は、製品の試験等が進められています。 複数のイノベーターが、アップサイクルに関するさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。 例えば、オランダの団体「Dutch Awareness」は、特定のテキスタイルをアップサイクルしてユニフォームを作っています。

LAUNCH Circular  は「クローズ・ザ・ループ」、「クローズド・ループ・ソリューション」といった言葉をよく使用していますが、 どういう意味ですか?
「クローズ・ザ・ループ」は 10 ~ 15 年程前にアメリカで生まれた理論で、 同じ素材、同じ資源を繰り返し使い続けられるシステムが、最も効率的で持続可能ということを提唱しています。 素材のサイクルダウン、リサイクル、アップサイクルは同じではありません。 ダウンサイクルでは、素材を最大限活用する一方で、最初の製品より価値の低い再生品に生まれ変わります。 リサイクルは良い方法ですが、使用済み製品から、より価値の高い製品を生み出すアップサイクルは持続可能性のインパクトが最も高い再生方法です。 この理論は、ここ数年で現実のものとなりました。 現在、Kvadrat は循環型経済の創出に取り組む REALLY という企業に投資を行っています。 REALLY は使用済みテキスタイルから複合素材を製造しています。

Launch Circular  は持続可能なソリューションの支援・促進を目標としており、 Kvadrat は中核的なパートナーとして彼らの目標実現をサポートすることができます。 LAUNCH Circular  への参加は Kvadrat の持続可能な取り組みにとってどのようなメリットがありますか?
持続可能性の分野において、単独で行動するよりもスピーディに動くことができます。 新たなイノベーターとのリサーチにはさまざまな研究所や専門家が参加します。このため、とりわけ多様な知識を結集させることができます。 このような学びの場は非常にエキサイティングな機会であり、彼らから直接学ぶことができるというメリットがあります。 私たちの課題は、これらの協働から生まれる知識を集め、私たちの一部にすること、 そして、イノベーションが実際に実用化されていることがはっきりと分かる状況を私たち自ら生み出すことです。

Launch Circular  プロジェクトへの参加を希望する業界や公共機関は、これからますます増えますか?
もちろんです。 現在、1、2 社の新たなパートナーとの連携が進行中です。 さらに、アメリカの LAUNCH と LAUNCH Circular の連携をいかにより緊密にするかについて話し合いが行われています。

Launch Circular  の取り組みで最も実現したいものは何ですか?
LAUNCH Circular グループ以外の企業による持続可能性への取り組みをサポートすることです。 これが第一歩の目標です。 この最初のステップを足がかりとして、今後 5、6 年でテキスタイル産業を活性化させたいと考えています。 Kvadrat は 環境管理システムや、ライフタイルの視点に立った持続可能な製品作り、クリーンエネルギーの使用、効率的な生産体制等、善良な市民として社会に貢献してきました。 そして今、Kvadrat は善良な市民からさらに一歩進んで、持続可能なアプローチをより積極的に進めていきたいと考えています。 焦点を変えて、より勇敢な姿勢で取り組みを進めていく予定です。