998.9 by Shilpa Gupta

イタリア、ヴェネツィア 2015

998.9 は、現在では 3,400 Km に及ぶインドとバングラデシュ国境の鉄条網を表現しています。シュンドルボンからティーンマスに広がるこの鉄条網はテロや密輸の防止を目的としてインドにより作られたものですが、気候変動の影響を受け不安定な環境にあるベンガル三角州の湿地帯に住む人々にとって致命的な境界となり得るものです。

Shilpa Gupta はこのあまり知られない国境紛争に光を当てるために「998.9」を創造しました。この作品は、Kvadrat が提供する 3,394 メートルにわたるプルーリアの人々の手織りによる布が使用されています。

この作品は、2015 年のヴェネチア・ビエンナーレの Gujral 基金による「My East is Your West」展に出品されました。

Kvadrat は、2016 年に「998.9」をデンマークのルイジアナ近代美術館に寄付する予定です。

Shilpa Gupta(1976年生まれ)はインド・ムンバイ出身で、1992年から1997年にかけて ムンバイの Sir J. J. 美術学校で彫刻を学びました。現代美術センター(アメリカ、オハイオ州シンシナティ)、アーネム現代美術館、MAAP Space(オーストラリア、ブリスベン)、アノルフィーニ(イギリス、ブリストル)、OKセンター・フォー・コンテンポラリーアート(オーストリア、リンツ)をはじめ、アジアやヨーロッパ、アメリカで個展を開催しているほか、テート・モダン(イギリス、ロンドン)、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(アメリカ、ニューヨーク)、ルイジアナ近代美術館(デンマーク、フムルベック)、森美術館(日本、東京)、ダッカアートサミット(バングラデシュ、ダッカ)、デヴィ美術財団(アメリカ、ニューデリー)で作品が展示されています。Shilpa Gupta はニューミュージアム・トリエンナーレ(アメリカ、ニューヨーク)、リヨン・ビエンナーレ(キュレーター Hou Hanru)、光州ビエンナーレ(ディレクター Okwui Enwezor/ キュレーター Ranjit Hoskote)、横浜トリエンナーレ(キュレーター Hans Ulrich Obrist)、リバプール・ビエンナーレ(キュレーター Gerardo Mosquera)、さらに最近ではシャールジャ・ビエンナーレ(キュレーター 長谷川 祐子)、第8回ベルリン現代美術ビエンナーレ(キュレーター Juan Gaitán/ 美術チームメンバー Natasha Ginwala と共同)に参加しています。2002年から2006年にかけて、インドとパキスタンの公共芸術交流プログラム「Aar Paar」をラホール(パキスタン)を拠点に活躍するアーティスト Huma Mulji と共同主催しました。