n_body crash by Marie Kølbæk Iversen

テキスタイルとデジタル技術のつながりにインスピレーションを得て、ものづくりという素材の世界とデジタルプラットフォームの非物質性の間に存在する流動的な 境界線を見つめたいという願いから、Kvadrat はアーティストの Marie Kølbæk Iversen に Kvadrat 初となるデジタルアート作品を依頼しました。

n_body crash  は Marie Kølbæk Iversen が自ら手がける、ギリシャとローマの神話に登場する女官イオ、そして木星に最も近いガリレオ衛星のイオをテーマにした長期的プロジェクト「 Io/I 」(2015 年~)から、新たに生み出したデジタル作品です。n_body crash  は名前の「Io」、情報技術の二進コード(0/1、O/I、IO、Io)、編み生地の基礎を成す、経糸と横糸のグリッド上に作られる二元構造の間に生まれる偶然の収束にインスピレーションを得ています。

神話によると、イオは若い女性で、ジュピター(ゼウス)により体を奪われた後、雌牛に姿を変えられて地上をさまよった、と言われています。 1614 年、ドイツの天文学者 Simon Marius が神話の登場人物にちなんで木星の衛星のひとつにその名を付けたことから、「イオ」は象徴的に自分を冒したジュピターの軌道内に永遠に閉じ込められることになりました。

n-body_crash  は、天体物理学者 Ole Busborg Jensen と協力して「イオ」の物語に想像的な章を新たに生み出しています。 作品 は、木星の引力からの衛星イオの脱出を模擬実験します。 小惑星群に衝突された衛星イオは、同時に軌道から解放されます。

イオを解放する天体物理学的刺激の基礎となる Python コードを二進コードに変換することで、0/1 言語のさまざまな色のデジタルレンディションがスクリーン一面に拡がります。 イオとジュピターの神話の文章、名前の呪い、イオの解放がこれに付随し、現代科学の家父長的な宇宙構造論における女性の力の回復を求めます。

 

デザインスタジオ Alexis Mark とのコラボレーションで制作されたウェブサイトは、こちらでご覧いただけます:http://www.n-body-crash.io/

 

n_body crash は Kvadrat が依頼し、South into North がキュレーションを担当しました。